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季刊島田荘司編集室の窓から 季刊島田荘司編集室の窓から
編集後記〜窓から窓から
管理人・T橋のツルカメ日記
第3回 T橋の、闘病だよ、全員集合!その2
「検査手術だ!疾風怒濤編1」
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ちゃぷたー1
今度は大学病院に入院である。
組織検査とうものをするためだが、検査とはいえ、全身麻酔で身体に穴を開け、そこから疾病箇所に胸腔鏡とメスをいれて細胞をとるとの説明を入院まえに受けた。
あまりにもすごいことで、ピンとこない。生まれてこのかた一度も身体に穴なんてあけたことないし、入院だって、この間の入院がはじめてだったのである。
思えば、この間の入院なんて、今から思えば屁みたいなものだった。隔離され、点滴をうたれ、がっくりうなだれて、苦し紛れに「鬼平犯科帳」を1巻から6巻までイッキ読みしたなんて、まったく可愛いものである。
なにを隠そう、僕は子供頃から大の痛がりである。もし「世界痛がり・弱虫選手権大会」があったら、ぜったいに3位以内に入ると、母親も太鼓判の痛がりだ。
すっかりオヤジになって、忘れていたが、子供の頃、母親が赤チンを見せるだけで、泣きじゃくっていたような気がする・・・ なんとも情けないガキである。
で、嫌だ嫌だとつぶやきながら、入院したわけだが、病棟についてみると、なんと若くてチャーミングな看護婦さんが、たくさんいるではないか! 僕はすっかりオヤジ心がくすぐられいい気になった。入院生活。楽しそうじゃないか!! はしゃいで部屋の写真なんかとってしまった訳である。
しかし、入院はやはり入院であった。翌日から検査につぐ検査、採血につぐ採血、そんなに血をとってどうする気だと言いたくなるほどである。
おまけに、肺活量の検査まである。マラソンをするわけでもないのに何故だ? しかし、検査だけは、検査技師が驚くほど優秀な成績で終了。元「健康優良児」を舐めるんじゃない!といい気になって病室に戻ったら、テーブルのうえに変なおもちゃのような器具がおいてある。看護婦さんに聞くと、これは肺活量増進のトレーニングマシーンだという。
やってみろいうのでやってみた。息を吐ききった状態で思い切り息を吸い込み、ピンポン玉を中に浮かすトレーニングを息を思い切り吸い込んでから息を吐き、ピンポン玉を浮かすトレーニングの2種類があった。
「すごい肺活量ね。でも、あなたのやりかたは、力任せにすぎないわ。私の言ったとおりにやってみて(ハート)」と、看護婦さんは峰不二子のように言った。やってみると、なんのことはない、ただの腹式呼吸である。
「そうよ、ただの腹式呼吸よ。でも、手術後の痛みのなかで、練習なしで簡単にできるかしら・・・うふふ」
手術! 検査じゃないのか!!
ちゃぷたー2
医者の説明で、これから何をされるかが明らかになった。
「検査」と言っても、これは手術だ。
「普通、胸腔鏡いれると言えばわかるものですけどね」と青年医師は爽やかな笑顔をみせて言う。
わかんねーよ、そんなもん!! なに? 手術前には剃毛、浣腸? 勘弁してくれよー。
ちょっと待って。今、手術中、片方の肺の空気抜いて、肺をぺしゃんこにするって言いました? そんなことしたら、死んじゃうんじゃ・・・えっ、もう一つ肺はあるから大丈夫? そりゃそうかもしれないけどさ、えっ、肺活量もあるしって・・・それじゃ、あれはそのための検査だったの!?
こえー、ちゃんとした手術じゃんかよ〜、というのもつかの間、あっという間に手術前日である。

剃毛があると聞いてから、ひとつだけ気になっていたことがあった。
剃毛担当がキャバクラ・ナースのアミちゃんだったら嫌だな〜ということである。なんでこんなニックネームをつけたかというと、化粧がケバイ。瞼なんか、アイシャドウで真っ青である。おまけに髪型もけっこうイッテル。ナースキャップしてるのに、シャギーのはいった前髪が顎のあたりまで垂れていて、場所が場所ならおしゃれな雰囲気なんだろうが、病人だらけの病棟では明らかに目立つ存在だった。付け加えておくが、彼女はとても明るく、優秀な看護婦さんである。見た目がそんなで面白いから、僕が勝手にステレオタイプなイメージをはめてみただけだ。

剃毛の時が来た。剃毛担当はキャバクラ・ナースのアミちゃんだった・・・
「T橋さーん、剃毛します〜」楽しそうに彼女は入ってきた。
まずは脇毛から。ジョリジョリ。変な感じだ。脇なんてそったことないもんね。両方の脇毛をそり終わると、アミちゃんは「もうこれで〜、明日からタンクトップ着てもバッチリって感じ〜(ハート)」と嬉しそうである。「上半身はみんな剃っちゃいますね。いま〜、男の子も毛がないのはやってるし〜」
よかった! ということは、アソコこの毛は無事なんだな・・・
「看護婦さんって、たいへんですよね。宿直とかあるし」
「でも〜、夜勤だと夕方来ればいいから〜、その日の朝まで遊べるじゃん?」
「そうだよね〜」
ジョリジョリと剃毛の音がするのどかな昼下がりである。

怖い。なにがって手術が、である。術後の痛みが、である。病院食のメニュー選択をしていた時は、それに熱中していたが、1週間の献立を決めてしまうと、やはり明日が嫌である。まったく意気地のないはなしで、自分でもあきれるがやっぱり痛いのは嫌だ。
そうだ、こんな時は音楽でも聞こう。
しかーし、選曲に失敗してしまった。
鬼束ちひろ。こんなCD持ってくるんじゃなかった(涙)。
そこに弟が来て、「手術のまえなんかは、こいう方がいいだろ?」とCDを持ってきてくれた。イタリア・オペラ。そうだよね、今年はイタリア年だし。やっぱ、手術の前はオペラだよ。サンキュー、弟。
弟が帰ってから、さっそくCDを取り出してみる。聴き始めてみるとなんだか変である。この悲しげなメロディーは・・・? 取り出して見てみると、「モーツアルト、レクイエム」とある。弟〜、これ、葬式の音楽だよ〜 おかげで手術当日、手術室で麻酔をうたれるまで、頭の中で「主よ、憐れみたまえ」のラテン語が激しくも悲しいメロディーとともに、鳴り響いていた・・・

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