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編集室の窓から
島田荘司のデジカメ日記
第233回
島田荘司のデジカメ日記
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7−6(水)、コレドで桜子展、オープニング・パーティ
赤坂乃木坂で石塚桜子展が始まり、この夜はそのオープニング・パーティとなった。会場となった「シアター&カンパニー、コレド」は、地下鉄乃木坂駅を上ってすぐのビルの地階にあり、階段を降りていくと真っ赤なドア、これを引いて入ると、光線を落とした落ちつけそうなカウンター・バーがあり、ここを抜けたら開けるグレー壁の空間が、作品展示のメイン会場になっていた。
ここは名前が示すようにステージも出せるようになっていて、俳優や踊り手が、壇上でパフォーマンスを見せられる仕掛けにもなっている。ここのオーナーは、女優の桃井かおりさんのお兄さんだということで、だから実力派の演技陣が、ここで制約から解放された、自身プロデュースのパフォーマンスを披露もするらしい。
桜子絵画作品の展示は以降も続くわけだが、この夜の売りは、画家、石塚桜子と、ピアニスト、大嶋美智子が、一堂に会してたがいの芸術を披露し合う、ということだった。こういうことは、ありそうでこれまでなかった。石塚桜子さん制作の絵画が並ぶ会場に、大嶋美智子さんの生演奏が流れると趣向は、このところのぼくの夢で、いずれはぼくなどが企画し、実現しなくてはと、多少のプレッシャーも感じてもいたのだが、部谷さんの登場によって意外に早く、しかもいとも簡単に実現してしまった。このことに、非常に感謝している。だから挨拶要求のマイクが向けられた際に、そのようなことを述べて、彼女に感謝した。この日の打ち合わせのため、3人の女性は事前に何度か集まったらしいが、部谷さんは大嶋さんもたいそう気に入って、よい関係が生まれたらしい。
この夜は、部谷さん、石塚さん、大嶋さんという以外にも、Pattyさん、瑛子さん、にゃおさん、もと女優のプロデューサー、安井ひろみさん、それから部谷さんの知り合いの影絵作家、女性編集者、また大嶋さんの友人のひよ子さんなど、多くの女性が集まった。みんなとても綺麗に着飾っていて美しく、会場は銀座のクラブにも負けない、非常に華やかな雰囲気になった。SSKの周辺には、顔だちのよい女性が揃っている。
SSKサイトからの男性陣は、メゴチさん、ミラージュさん、飯田さん、nekotaさん、matthewさん、それに桜子さんのご両親。
さらには、映像のフィールドから、今「暗闇坂の人食いの木」の実現に尽力してくれている東映プロデューサーの香月さん、吉敷ものTVの千葉プロデューサー、これの脚本担当、高田純氏も来てくれた。
あとは出版界から、例によって文春の天才芸能人、菊池氏、その下にいるA俣氏、I井氏、講談社の新担当のS村氏、原書房のI毛氏、光文社のW辺氏など、いつものお馴染みのめんめん、そのほかにも大勢で、とてもここに名前が書ききれないくらいのメンバーが集まって、司会者はというと、「光文社にこの人あり」の鬼才、A井N充氏であった。
A井氏は、以前のピカソでの司会失敗(別にぼくはそうは思っていないのだが)に大きなプレッシャーを感じており、この日は万全を期して前々日から酒を抜き、朝は冷水のシャワーを浴び、さらには瞑想まで経て、この会場に来たのだそうである。だからぼくが会場に入っていき、「やあA井さん」と声をかけても、上の空で返事をしないくらいに、これからの諸事進行、自身の発言内容にと気分は埋没しているのであった。
そのかいがあって、この夜のA井氏の司会進行ぶりは、パーフェクトの一語であった。考え抜かれた端正な言葉と、見事な間合いで、このようなパーティでは、司会者はこうあるべきというお手本であった。
おかげて会はとどこおりなく進んだ。ぼくが石塚桜子作品論をひとくさりやり、続いて桜子さんが立って挨拶をしてから、ぐるりの壁にかかる自身の作品の前に行って、作品の解説をして廻った。
ここにおいても桜子さんの作品は、やや暗くした会場に馴染んでいて、空間を特有の世界に変えていた。ここはセメントの打ち放し的な、ざらりとした手ざわりの空間にして欲しいというオーナーからの要請があり、部谷さんはあえて凝らないように、さりげない印象にしたそうである。空間は容れ物に徹し、ここで展開するパフォーマンスを主にしたいというオーナーの思いらしい。今回の主役は、桜子作品である。絵画の展示はコレトでははじめての試みらしい。今後はこういう企画も、おりに触れてやっていきたいというのが、オーナーの希望と聞いた。
部谷さんプロデュース、高橋監督の、石塚桜子ヴィデオ作品が完成していて、ここで上映披露された。これは凝った、実に見事な映像で、このヴィデオ作品ためだけにでも、会場に足を運ぶ価値はあったろう。非常にテンポのある展開、センスのよい音入れ、各桜子作品の紹介映像、アトリエでの珍しい制作風景、彼女のインタヴュー、街角に立ち、また歩く桜子さんのスローモーションの映像、彼女が2人現れるトリッキーな画面など、技術的にも非常に高度で、よい出来のものであった。終了すれば、会場はやんやの拍手喝さいとなった。
続いて大嶋さんのピアノ演奏となり、この日のエポックは、「暗闇坂」と題する新曲披露であった。これまでの作曲の、技術的集大成ふうの構成になっていて、流麗で、しかも劇的な構成である。続いては、もうお馴染みとなった「組曲・龍臥亭」から数曲、中でも「窓辺の雨だれ」の後半は圧巻で、桜子世界とよく共鳴し合い、会場を充たした。後は静にドビュッシーを奏で、締めくくった。店のピアノは、調律にやや難があったのだが、演奏自体はとてもよいできであった。
続いて、A井さんにうながされた香月プロデューサーが立ち、映画「暗闇坂」の進行状況の報告、高田氏、千葉プロデューサーによる、吉敷ものTVの進行状況、などなどの説明もあった。
それからは食事とともの歓談タイムになり、後半はビールに盛り上がってのカラオケ・タイムとなった。司会の重圧から解放され、A井氏は乱れるであろうと予告しておいたが、その通りにはじけとび、複数の女性とデュエットをして、楽しそうであった。それから当方のところに来て、本日の司会はよかったでしょう、ね? ね? と自慢をした。
佐渡出身の桜子さんのお父さんが、そのあたりの民謡ふうの歌を披露して、拍手を浴びた。桜子さん自身も歌っていた。
みなの度肝を抜いたのは、ミラージュさんと、カッパ編集長のW辺さんとが、カラオケでは絶対に歌えない、あの「ヘルター・スケルター」を絶叫デュエットしたことであった。現在ぼくは、カッパノベルスのために、「ヘルター・スケルター」を含む中編集、「エデンの命題」を書いているのだが、編集長としては、早く書けという、あれは催促のシャウトだったのであろう。
ま、いずれにしても、楽しい会であった。
 
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