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島田荘司のデジカメ日記
第16回
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11−3(金)、雨の井の頭公園案内、1
カリフォルニアで暮らしていると雨が珍しい。久しぶりの帰国で、雨の中、傘をさして井の頭公園を歩くと、枯れ葉の散り敷いた道とか、雨に濡れた石像、なんでもないセメントの橋などがひどく新鮮に感じられて、カメラを向ける気になる。日本で暮らしている時は、こんなものに格別風情は感じなかった。帰国早々は、気分は外人観光客だ。
今回から何回分かを使って、雨の井の頭公園の案内でもしてみようか。まずは「都市のトパーズ」に登場した大盛寺、これは南側にいくつもある公園入口の、ひとつのそばにある。作中ではどんな名前にしたかもう忘れてしまったが、ここにトパーズという虎の子が飼われていて、成長してのち檻を破って逃げ出したという設定にした。この通り、寺には実際にモデルがある。
大盛寺の門前の、よく付近の人の自動車が停められている空き地のかげに、不思議な石造りのモニュメントがあって、これをよくテレビ・カメラがやってきて写している。通称蛇神さま。体が蛇で、頭が人間になっている。だから篭のような形にとぐろを巻いた蛇の上に、人の頭がぽんと載っている。それが今日は黒く雨に濡れている。
何故テレビ・カメラが来るかというと、ここが青山トンネルなどと並んで、東京有数の霊スポットだからなのだそうだ。この脇の、赤い手摺りのついた急な石段を下ったところに天神さまがあるのだが、この前で写真を撮ると、背後の池の水面上に、たくさんの白い蛇が、鎌首をもたげているのが写ったという話があるらしい。それでここは霊スポットということになったのだが、それもこの蛇神の石像の不気味な姿からの連想ではないかと思う。
普段の昼間はそんな様子はまったくなくて、霊スポットのただ中をみな平気で通過している。しかしこんな雨の日は、頭上で折り重なった木々のせいであたりは薄暗くなり、ここが霊スポットだと言われても、それなりに納得できそうな様子になる。
暗い雨の日、従来のフィルムのカメラでは写真にならなかった。10枚も撮れば、構図とか光線の具合で使えそうなものが1、2枚出るかな、という程度だった。けれどもデジカメなら、ストロボをオフにして、まったく見たままがすいすい写るから楽しい。
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