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編集室の窓から
島田荘司のデジカメ日記
第15回
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島田荘司のデジカメ日記
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島田荘司のデジカメ日記
10−31(火)、光文社、ミステリー文学新人賞審査会。
この審査会のために日本に戻ってきた。文学新人賞の審査会が、どんなところで行われるものかを見ていただこうか。この賞の会場は、例年新橋第一ホテル。新人賞でない、大賞の審査会もまたこの日、廊下に沿って並んだ別の部屋で行われている。こうして写真にして見ると、会場廊下はお城の内部みたいに写る。ずいぶんと立派な様子である。
そして各部屋の前には、新人賞なり大賞なりの審査会場を示す札が立っている。
審査は、こんなふうに白布がかかった丸テーブルに各先生方がついて行う。手前右側、紙を前後二段に並べているのがぼくの席。左廻りにぼくの左隣が北方謙三さん、その左隣が森村誠一さん、その隣がカッパノベルス編集長の多和田さん、その隣が下読みの代表としての編集者さん、その隣が夏樹静子さん、その隣が、これはもうぼくの右隣になるのだが、内田康夫さん、こういうメンバーであった。これは去年と同じである。
みんな有名人だから、お顔を写してはまずいだろうと思い、休憩時間にこっそりと撮った。しかし実はこの時、背後に北方さんだけはいて、写し終わるまで待ってもらっている。
「まだすわったちゃいけないの? 今島田さん、こういう趣味あんの?」
などと彼は訊いているところである。「ええ、そうですよ」と応えながらシャッターを切った写真がこれ。
この日は残念ながら大賞は出せなかった。が、佳作が2本出た。成定春彦氏の「熾闘(しとう)」と、菅野奈津さんの「盲信」。双方とも出版はされる運びとなり、この時にタイトルは変わるかもしれない。いずれも取材が行き届いた手堅い作品だった。ここでは内容についてまでは述べない。選評は、小説宝石に載ったはずである。
次の写真は、審査を終えたのち、先生方全員で会食するための大テーブル。このホテルでは毎年、和風懐石ふうの料理が出る。この時間がとても楽しい。このメンバーなら、北方さんがたいてい独壇場でしゃべる。内田さんはこの後、豪華客船に二百何日も乗る世界一周の旅に出る。するとそのような船旅で自分は、ダンス教室の美人先生を口説いて船内をくまなくデートした、というような首尾を北方先生が披露して、みな熱心に聞き入るのである。
これまでのぼくの経験では、作家の集まりの類ではこの審査会が最も楽しく、有意義であるように思う。パーティでの立ち話にはそれほど惹かれない。審査会では各著名作家たちの創作理念もかいま見えて、先輩たちが最も魅力的に見える時間である。
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