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島田荘司のデジカメ日記
第11回
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10−18(水)、グローサリィストア「ラルフス」。
こっちのスーパーマーケットですごいなと思うものは、まずは広さである。むろん全部がそうではないが、大きいものはサッカー場ほどもある。ここでみんなカートを押して買い物をするが、だからなかなかの道のりを歩かされることになる。LAでの生活はほとんどドア・トゥ・ドアの自動車生活なので、足がなまってしまう。みんな(主として女性だが)、こういうところで運動をしていた。
そしてこの手押し式のカートがなかなかのエンターテインメントを持っていて、前方に子供が乗るスペースを作ってあるのだ。折り畳み式なので、子供がいない人は使わないで手前にたたむ。いる人は引き出して使う。子供の両足は、押している母親の側に出すしかけになっているから、子供が手もとにいることになって母親も安心だ。だから子供があんまりちょろちょろ売り場を走り廻らないし、たぶん子供としても、小型遊園地に行くくらいには楽しいのではあるまいか。
子供を叱るより、いっそ楽しませておとなしくさせようという、これもまたアメリカ流の合理主義で、なるほどと思わされる。だがこれも広いからできることで、東京のスーパーでこれをやったら、商品の数が半分以下になってしまう。
カートによじ登りたがる子供は叱るものと相場が決まっているのだが、いっそ乗っていいとするというアメリカ式の発想は、簡単なようでいて金がかかっている。まずカートに要求される強度が全然違ってくる。加えて、そのようにしても耐用年数は短くなる。カート改造の要があり、新たな設計発注の要がある。子供の行儀が悪くなり、道徳上好ましくない。カートを暴走させて遊ぶ子が増える、すると商品にダメージが出る、等々の言い訳があっという間に並び、日本でならたちまち現状維持となるはずだ。しかしアメリカ西海岸では、もうこの手の子供搭乗可のカートがすっかり定着してしまった。
もうひとつ面白いと思ったものは棒くいだ。スーパーマーケット、ラルフスの入口には黄色い棒くいが何本も立っていて、車が店に飛び込まないための防御壁かと思っていたが、それにしては入口脇の関係ない場所にもある。ある日理由が解った。犬を連れて買い物に来て、終わるまでここにつないでおくためのものだった。リーシュ(犬の紐)の輪になったところをここにかぶせるだけ。結ぶ手間はいらない。そのためこの棒くいは、かなりの太さに作ってある。なんとなくこれは、馬に乗って買い物に来て、店の前に馬をつないでおいた西部劇時代の伝統から来ているように感じられて面白い。
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