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島田荘司のデジカメ日記
第106回
島田荘司のデジカメ日記
1−9(水)、A先生に質すべきこと。
2002年が明けた1月7日、堀弁護士からCCでメイルが来た。

岩波先生、CC:島田先生 安部先生 高橋先生
あけましておめでとうございます。今年はいよいよ正念場の年だと思います。悔いのないように、しっかりとやりたいと思いますので、みなさん、本年もよろしくお願いいたします。
岩波先生には、昨年来、本当にお世話になります。A先生とのアポイントの件、ありがとうございます。わたしは1月には2回ほど上京の機会があります。11日にその1回目が来るのですが、これはちょっとスケジュールを空けるのが間に合いません。27日(日)が2回目です。28日の月曜日のスケジュールなら調整可能ですので、もし28日でA先生が可能ならば助かります。
その日が不都合の場合は、別の日程ということになりますが、すこし上京がずれることになるかもしれません。わたしの勝手なスケジュールのみ申し上げれば、以上のとおりです。

翌8日の、岩波先生よりの応答。

堀先生
A先生と連絡がとれました。1/28の月曜は、A先生は終日監察医務院で解剖の業務があり、夜遅い時間でないと難しいとのことです。逆に1/27の日曜であれば、大学で会うことは可能ということでしたが、堀先生のご予定はいかがでしょうか。もし先生が1/27の時間を空けられるなら、私もそれに合わせます。ご検討ください。
岩波明

同日、これへの堀弁護士の回答。

岩波先生、CC:島田先生 安部先生 高橋先生
A先生との面会の件、大変ありがとうございます。1/27(日)は、午前11時から午後5時まで日弁連会館でミーティングの予定になっています。当日の早朝の飛行機で上京の予定です。この日の詳細のスケジュールはまだ流動的で、11日にある同じ日弁のミーティングで、かなり詰められると思います。
ただ、この日を逃すと日程的に難しくなるので、11日にスケジュールがどのように決まろうと、27日は午後3時ころに抜け出しますので、午後4時ころからの面会は可能になります。ただ、日曜日の午後4時にお会いいただくというのは大変ですので、A先生には無理をお願いするわけにもいかないと思います。

同日の岩波先生の回答。

堀先生
A先生と1/27の午後4時ということで面談をお願いし、快く了解してもらえました。堀先生と私は、15:45分ごろ、東大の赤門前で待ち合わせるということにしたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
岩波明

これに対し、了承の返答が堀弁護士より返されたので、1月9日、ぼくは自分の考えをCCで述べた。

岩波先生
A先生の件でのお骨折り、ありがとうございました。いよいよ「秋好事件」も、実のある新展開に入ってきたように感じられます。堀先生、ここはひとつ気合を入れて、よろしくお願いします。
以前にメイルしましたが、証拠シャツの袖口の(飛沫痕跡も、かすれも伴わないと思われる)大量血、個人的に私は現在、この点に期待の比重がかかった気分でいます。これまでの方向でA先生にご意見をうかがうことはもちろんですが、これらについては、「充分な可能性はあるが、全般的に、判決を覆すに足るものとなるか否かは断言はできない」というものであったと思います。
ではその次に、この事実(飛沫痕もかすれもない大量血が、まるでひたされたようにして袖についている)の理由についてA先生の見解をお尋ねすることも、もうひとつの興味深いテーマとなり得るように思います。よろしければ、是非やっていただければと思っています。
以下はむろん、警察による捏造説が排除された場合ですが、さらに飛沫痕とかすれが、袖に実際になかった場合ですが(多少のかすれはあった方がいいですが)、被告が単独で4人を殺害したと考えた際、どういう時にこれが起こり得るでしょうか。みなさんのお考え、お聞かせください。つまり、単独でも当然袖への大量血付着は起こるでしょうが、これが飛沫痕跡をいっさいまぬがれているという状態が、あり得るのか否かです。
まあここが、最大のハードルでしょうね。これはいったん付いた飛沫痕跡の上に、これをカヴァーする形で血がついた場合を含みそうです。しかしでは、単独犯がどのように行為したらそのような形に血が付くのか。被害者と体を接して揉み合わなくてはならなくなりそうです。
もしもそれがないとすれば、では次に富江という共犯者がいたとして、このケースではどのような時、この袖口の飛沫痕のない大量血付着は起こるでしょうか。みなさんのアイデアをお聞かせください。マカ川に棄てるため、2人で富江の着衣を包丁で裂いている時、という線はナシです。これは富江着衣への大量血付着後、8分以上が経過しています。付着は当然起こりますが、この場合、かすれが大いに目立つと思われます。
もしもこれにも、納得させ得る説明が存在しないとすれば、目覚しいものではないまでも、これは突破口ともなり得るように思います。何故なら、単独犯行では、こういう証拠の状態は起こり得ないとみえるからです。では富江と共犯であった際、どのような場面でこれが起こったか。これも、ひとつしかないことになります。
つまり、着衣前面に大量血をつけた共犯者が、4人目への凶行に及んでいる際、被告がこれを後方から羽交い締めした際に付いた、というケース以外になくなってしまいます。もしそうならこれは、共犯者がいたという傍証になります。またこの袖口大量血の内訳は、広子、努、2人の血のみ、という推察になります。
反論、ご意見、是非お聞かせください。
島田荘司。

すると堀弁護士より、すぐにこういう返答があがった。

岩波先生 島田先生、CC:安部先生 高橋先生
岩波先生、何から何までお世話になります。お言葉に甘えさせていただきます。
島田先生、本当にここは気合いを入れなければいけませんね。ご指摘の点については、少し考えて、またメールさせていただきます。

堀弁護士によるA先生へのヒヤリングに、大いに期待して待つことにした。
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