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島田荘司のデジカメ日記
第10回
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10−14(土)、歯医者に行く。
オレンジ・カウンティ、ブルーム・フィールド通りにあるボブ・永野さんのクリニックに、定期検診と歯石取りに行く。ボブさんは日系二世、日本語はあまり上手ではないのだが、歯科医としての技術は一流、きわめて丁寧で、痛くなく、アメリカに来て歯医者の治療はまさしくカルチャー・ショックであった。
ここに細かく書くスペースはないけれど、こちらでは神経治療と、それ以外の定期的な歯石取りや技工士的な治療、それから抜歯は、それぞれ専門医に分かれているのが主流。大学の段階から分かれるらしい。だからそれぞれの分野の仕事が正確で丁寧、なにより痛くない。
もうひとつは保険制度の相違。日本は保険が発達していて点数制度なので、一本の虫歯治療も短時間ずつ何日にも分ける方が医師の収入が増す。こちらはまだ保険の整備が遅れているので、技術が遥かに上となり、一日2時間もの予定をとってくれて、1日とか2日で仕上げてくれる。忙しい身にはまことに助かる。そういう誠意、質問に何でも答えてくれる威張りのない親切さは、こちらが千倍上だ。
歯槽膿漏にならないためには、定期的に歯科医に行って歯石取りをするという以外に道はない。われわれ一般人には、石灰化してこびりついた歯石を取る方法はないからだ。しかし日本では保険収入にならないこの作業を嫌ったり、歯槽膿漏のもとである歯茎との境目部分の歯石取りをやらないでごまかす歯科医がまだまだ多いらしい。こうすると、日本の患者はいずれ歯槽膿漏となって歯を失い、歯科医は義歯業者からのリベートが期待できる。
日本人は、枯れ木がいずれ葉を失うように、歳をとれば歯はなくなるものと思わされているが、これは大きな間違いで、歯槽膿漏という病気のためであると言いきってもよい。こういう犯罪的な慣習は、日本人のよりよい未来のため、早く改善しなくてはいけない。入れ歯というものは通常ただの真空圧着で、歯茎の形状というものは年々刻々変化するから、早晩義歯の根と合わなくなる。そうなると非常に不快なものらしい。
しかし歯石取りは出血を伴うから、ふだんから歯茎をきたえてこれを少なくするため、歯間ブラシを使うように勧められる。これもこちらに来てはじめて経験したことだ。
写真はボブさんと奥さんが、ぼくの歯のレントゲン写真をコンピューターで見て今後の治療の検討と、説明をしてくれているところ。友人になったせいもあるけれど、こんなふうに対等に会話し、親身になってもらったことは日本では経験がない。
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