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| 藤巻一保 A5判・並製・320頁・1575円 |
| 一章 超人太子の誕生 二章 仏法興隆のあけぼの 三章 崇仏派と排仏派の戦い 四章 推古女帝と摂政太子 五章 予見された日本の未来記 六章 霊魂が運んだ『法華経』 七章 死出の旅への準備 八章 聖徳太子の遷化 九章 上宮一族の滅亡 聖徳太子の伝記と注釈書 |
| (秦)河勝の広隆寺・上宮王院には、太子が蜂岡を訪れた三十三歳時の姿を写したものという『伝暦』ゆかりの太子の木像が祭られている。京都国立博物館の調査で、腹部に太子関連の法隆寺や四天王寺、橘寺などの十一種の遺物と説明文が納められていることがわかったが、この像には、古来、不思議な儀礼が行われてきたと いう。 (略) 天皇が即位式に着用した装束を、儀礼終了後、太子に献じ、太子の木像がそれをまとうというのはただごとではない。即位礼で天皇が着した装束は、ただの装束ではない。それは祖先の天皇霊の霊力を帯びた神聖な衣服であり、天皇そのものの分身とも見なされたものだからである。 実際、天皇の霊魂を活性化させ、力を蘇らせるための宮中呪法(鎮魂祭)では、天皇の衣服を対象に祭祀儀礼を行う。密教流にいうなら、衣服を加持するのである。 そうした衣服を、それも、皇太子から天皇へと変容するための一世一代の儀礼である即位式の衣服を、歴代即位者が太子に贈り(平成天皇もこれを行ったという)太子の木像がそれを身にまとうというのは、歴代の天皇が太子を“隠された天皇”と見なし、代替わりごとに太子の即位の儀礼をくりかえしてきたことの証ではな いのか。 |
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