フェルメールと天才科学者

17世紀オランダの「光と視覚」の革命

フェルメールと天才科学者

『天文学者』『地理学者』のモデルと言われる科学者レーウェンフック。 同じ町、同じ年に生まれた二人の関係性を徹底解明。

著者 ローラ・J・スナイダー
黒木 章人
ジャンル 世界史 > 文化史(世界)
サイエンス・テクノロジー > 科学読み物
趣味・実用・アート > アート・デザイン・ファッション
出版年月日 2019/02/13
ISBN 9784562056347
判型・ページ数 4-6・440ページ
定価 4,180円(本体3,800円+税)
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

「17世紀デルフトに生まれた二人の天才が、それからの芸術と科学の未来を決定的に変えてしまうほどの大発見をした。その驚異的な時代へ、いつのまにかわたしたちは引きこまれてしまう。なんて素敵な本なんだ!」

――オリバー・サックス

 

「フェルメールと科学者レーウェンフックの生涯を克明に描きながら、本書は人類の偉大なる発見の瞬間について物語っている。芸術家と科学者がともに新しい光学機器を使い、自然界を研究した時代について、綿密な調査に裏付けされた、まるで小説のように楽しめる歴史ノンフィクション!」

――ウォルター・リートケー(メトロポリタン美術館 学芸員)

 

「不可視の世界」に挑んだ科学者と画家たち

 

1674年、オランダの小さな町デルフト。素人科学者アントニ・フン・レーウェンフックは自作の顕微鏡を使い、人類で初めて微生物を発見した。そのとき、広場を挟んだ向かいに住む画家フェルメールは、新しい光学機器カメラ・オブスクラを覗きこみ、光の効果をキャンバスに再現しようとしていた――

 17世紀、望遠鏡と顕微鏡という新たな光学器機と理論、そして肉眼を超える驚異的な観測能力が大きな引き金となって「科学革命」が起こった。その結果、天文学、物理学、生物学、解剖学、化学は大変貌を遂げる。そして〝ものの見方〟が初めて科学の中心理念とされた。画家たちもまた、凸レンズや拡大鏡、カメラ・オブスクラを用いて自然界を観察し、昆虫や植物の細密画を描き、光と影、そして色彩と色調を捕らえようとした。しかし、そこで大きな問題に行き当たる。「肉眼で見える範囲外のものを知覚することはできるのか?」17世紀デルフトの科学者と画家たちがもたらした「見る」ことの一大転換とは。

 当時の資料からフェルメールとレーウェンフックの生涯を克明にし、レンズの製造法から視覚理論の歴史、そして実際にフェルメールが各作品に用いた遠近法と光学を詳細に解説。同時代の画家や科学者たちまで網羅する。


【著者紹介】
 ローラ・J・スナイダー(Laura J. Snyder)

1964 年生まれ。アメリカの歴史家、哲学者、作家。科学教科書の出版社とテクノロジー企業専門の経営コンサルタント会社に勤務した後、ジョン・ホプキンズ大学で哲学の博士号を取得し、セント・ジョーンズ大学で21 年にわたって教鞭をとり続けた。国際哲学史学会元会長。〈ウォールストリート・ジャーナル〉紙にも寄稿。マンハッタン在住。著作にThe Philosophical Breakfast Club,Reforming Philosophy(いずれも未訳)などがある。本書は2015 年に〈クリスティーズ・ベスト・アートブック〉および〈ニュー・サイエンティスト・ベスト・リード〉に選ばれ、2016 年に全米技術史学会の〈サリー・ハッカー賞〉を受賞した。


【本書の原注】はこちらをご覧ください

謝辞
プロローグ 見えないものを見る
第1章 自然を〝偽造〟するもの
第2章 獅子の街角の男
第3章 火と光
第4章 〝見る〟ための修業
第5章 絵のように、そのように見る
第6章 数学好きの芸術家
第7章 自然の宝物庫
第8章 災厄の年
第9章 目に見えない世界
第10章 生物の〈発生〉の秘密
第11章 科学界の獅子
第12章 新しいものの見方
エピローグ 敢えて見よ!

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(本体3,800円+税)

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